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私たちのこと

100年で繋げる物語

 私たち「サンタクロース出版舎」で出版する作品は全てクリスマスのお話です。サンタクロース出版舎とはどのような出版社なのか? 誕生時のエピソードなどを添えてお伝えいたします。

 私は、たくさんの本に囲まれた図書館のようなカフェを日本で経営しております。ある日のミーティングで「私たちカフェスタッフがお客様に読んでいただきたい本を毎月提案しよう」という企画が決まりました。2020年夏のことです。その年の12月のテーマは「サンタクロース」となり、選んだ本は『サンタクロースっているのでしょうか?』というアメリカの絵本でした。物語はニューヨークに住んでいた8歳のバージニアという女の子がニューヨークのサン新聞社へ、「サンタクロースさんはいるのでしょうか?」という可愛らしい手紙を送ったことから始まった、今から100年以上も前の実話です。サン新聞社は粋なことにバージニアへの回答を社説で行いました。「目に見えないものを信じる心の大切さ」を優しく語りかけた社説は全米で話題となり、夢のあるやりとりはやがて絵本となりました。

 私たちは迷わずこの素敵な絵本を12月の提案本としました。しかし、クリスマスが終わった12月26~31日は別のテーマの方がいいということになり再び話し合いました。「大晦日?」「年越し?」「お正月?」など様々な案が出ましたが、あるスタッフが「12月26日の朝を境に、主役であったサンタクロースやクリスマスが街から消え、街中が新年ムード一色となる」ということに気が付きました。秋が近づくと迫ってくるクリスマスを楽しみに皆がそわそわし始めます。特に子どもたちはサンタクロースからどんなプレゼントをもらえるかとワクワクしながら待っています。その期待にこたえ夢を叶えるためにサンタクロースは世界中の子どもたちにプレゼントを届けてくれますが、12月26日にはすっかり忘れられてしまうのです。サンタクロースが一番疲れている時なのに……。そこで、「12月26~12月31日のテーマは、一生懸命、皆を喜ばせるために働いてくれたサンタクロースへクリスマスのお礼を伝える本にしよう」となりました。さっそく、私たちは探しました。しかし世界中の本を探してもそのような本は見つからなかったのです。スタッフ全員が諦めてテーマを変えようと思いかけていた時、私は「ないのならば創ればいい。カフェで出版社を立ち上げ、我々で出版しよう」と提案しました。

 そのようにして私たちの出版社はできたのです。出版社ができるきっかけをくれたサンタクロースに敬意を示し、出版社の名前を「サンタクロース出版舎」とし、作品のテーマをクリスマスに絞ることに決めました。私たちは、毎年11月1日にクリスマスに関する絵本を1作品出版します。そして100年間この活動を続けることを決めました。100年後には100のクリスマス物語が誕生することになります。これから100年かけて世界中の人々に夢と幸せをお届けできたらと願っております。そして100年後には1話1話をテーマとした100の物語が体験できる夢いっぱいのテーマパークと作りたいと思っております。
 わたしたちの絵本を手に取ってくださったすべての皆様、そしてサンタクロースに感謝を込めて、ごあいさつとさせていただきます。

2021年5月13日

サンタクロース出版舎

Founder and President